DATE
2017.10.31

第139回

  

「摩擦」

ネット化時代を象徴するコミュニケーションとしての「SNS」ツールの普及と日常化のよる街角の風景が時として異様に感ずることがしばしばあります。通勤、通学ほか電車内では時間帯によっては、ある種の沈黙の「スマホ」世界が表出いたします。その場の誰しもがその静けさを醸し出す自己埋没型世界に参加していることに違和感が生じないほどの普通の光景なのかも知れません。

この、自己埋没型の世界が、ひいては「家庭」や、「職場」や、広く「一般社会」での交流の場の多くを占めつつあるのではと思っています。どうも生暖かい血が通うような、或は体臭が伴う心の繋がった音感が伴った言葉での「会話」の世界が失われつつあるような印象を持っています。

本来の活発な「話し言葉」が、巷間溢れることなく、静かな「指」の動きだけでのサイレントコミュニケーションは、言葉を発する人間の成長を促す「摩擦」のエネルギーが阻害されているよう気がします。その「摩擦」からの逃避をあえてその静かな「活字化」による「会話」として、最早、社会的には日常化しつつあるのではと思っています。

コミュニケーションとしての「話す」ことから生じる様々な「摩擦」による、刺激や感情その時の「会話」の臨場感からくる感受性は、何とも得難い貴重な鍛錬と経験をもたらし、かつ知的向上心の助長とエネルギーを与えてくれます。社会生活をより充実させ、自らを成長、発展させていくためにも「摩擦」によるエネルギーを遠ざけては大きな損失なのではと思っています。

取締役会長

村岡 正啓

Muraoka Masahiro

同志社大学商学部卒業。
(株)大沢商会を経て、
1985年人材派遣会社創業。
1997年アソート(株)設立。

趣味:ラグビー、ゴルフ、映画、読書

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