第59回
失敗と成功にまつわる話題は枚挙にいとまがないぐらい、古今東西、数多くの教訓として残されています。
その中で、失敗から学ぶ場合が多いといわれるのは、自身が身を持って体験したという尊い経験から来る素直な心が、再度同じ場面に遭遇したとしても落ち着いた心で対処できるからかもしれません。俗にいう、ひと廻りもふた廻りも成長したなと思われるような、人間としての進化が見られるような感がするからです。
然しながら、こういった失敗からの学びよりも、その失敗したことがある種のトラウマとなってその人の心に巣くう場合があります。同じ場面に遭遇した場合、当然に前回の失敗感がよぎり、また失敗するのではという恐怖感に陥ったりします。総じて誰しもそのような「マイナス」的なイメージでの思考や判断に陥りがちです。恐らく、それらは本来人間の持っている自己防衛本能が前面に出ているからかとも思います。
昨今、「失敗を恐れる」ことで逆にチャンスを失ってはいないか、過去の「トラウマ」に捉われせっかくの成長の機会を失ってはいないかと自省するばかりです。
取締役会長
村岡 正啓
Muraoka Masahiro
同志社大学商学部卒業。
(株)大沢商会を経て、
1985年人材派遣会社創業。
1997年アソート(株)設立。
趣味:ラグビー、ゴルフ、映画、読書