会長コラムCOLUMN

新たに「事」を始めるにあたっては、その「事」の次第によっては、準備にかなりの時間とエネルギーを要するものではないでしょうか。
自然界での四季を巡るそのときどきの織りなす季節の変化は、私達の気づかない十分に準備された下地があってこそに思われます。

小説家然り。題材にもよりますが、特に現地視察、観察及び取材から、あるいは多くの文献から、語られぬ歴史上のぬくもりを感じながら、そのときの臨場感溢れる風景を想像したり、かつ創造したりして、限りを尽くしての準備を整えながら、作者自らの感性で描写していくのでしょう。いつの場合でも十分な準備の量と質がその後の実体に影響してくるのではと思っています。

毎日、毎日のめくるめく時間の流れの中に、何がしかの心の準備が思わぬ形となって具現化する場合もあるでしょう。
しかし、十分な準備と、その準備に費やされたエネルギーに必ずしも反映するとは限らないまでも、自然な形でそれなりの準備を怠りなくしていきたいと考えています。

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