会長コラムCOLUMN

夏草の萌えるたくましさが、強い日差しの中に一段と際立つ勢いが感じられます。
「夏草や兵（つはもの）どもが夢のあと」と詠んだ先人の観察力は、一方には厳しい自然の摂理に耐え、かつ、凛として、強く、逞しく、夏の厳しい暑さにも増して勢いづく夏草を見すえ、片や強者といえども永遠の繁栄はなく、盛者必衰のことわりが詠まれているように感じます。

そのとき、その場で、自らに与えられた精一杯の生命力を発揮し、あらゆる風雪にも耐え、絶えず繰り返しながら辿る山川草木は物理的時間の経過を忘れさせ、静止化された世界に引き込まれる感があります。

夏草の強靭さや生命力は、自然の営みに育まれたメカニズムといえるでしょう。
自然の変化や、時の流れの変化は、私達の意志の力を超えて間断なく無気質に通りすぎていきます。その中にあって、自らの地歩を固めつつ、しっかりと地に根をおろした生き方をしたいものです。

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